Vol.1 第9回 湘南国際マラソン

HOME > RANTEC STORY > Vol.1 第9回 湘南国際マラソン

―ガッツポーズできるように― 第9回湘南国際マラソン

2014年7月。

湘南国際マラソンまであと3ヶ月。主催ランナーズウェルネス川野氏とのスポンサー打合せ。昨年の開催前のゴタゴタが担当の白石まどかに重く蘇る。ブースの体裁だけはなんとか取り繕ったがくすぶった結果だった。いや、散々だった、に近い。「あぁ、今年も始まるんですね…」当時はまだ、そんな空気だった。

「毎日毎日、日が昇る前に出勤して暮れるまで、身体張って仕事しています。猛暑日が続いて熱中症寸前です。人員も足りなくてスタッフ総出で要請かけています。こんな時にスポーツとか、地域貢献とか。。なんの意味があるんだろうって思うんです。現場に申し訳ないですよ。」社内にはダウンな声もゼロではなかった。
近頃は、休日はプライベートだから仕事の携帯はOFF、出勤日は時間内はしっかり働きますよ。というのが世間のスタンダードになりつつあるが、建築業界は今でも、町場、野帳場関係なく土曜も現場が動く。工期によっては日祝の要請も止む得ない。そうやって日本の建築業界が歩んできたから日本の建築技術は世界に誇るまでに躍進した。それを築いてきたのは何百万人の働き手であり、RANTECも紛れもなくそこにしがみついてきたから今日がある。
しかし、「それとボクの貴重な休日は一緒にされたくないデス。」-そんな社員の声もある。 一つの基準で優劣を決める事はできない。 休日の社外活動に対する社員一同の同意は容易くない。

ノボリ旗・ブースの設計・撮影パネル・案内ボード・スタッフウェア…事前に手配すべきアイテムは数十種あり、「デザインやり直しです」「納期が間に合いません」「この仕様ではできません」「スケジュールを決めてください」上から下から左右から叱責と苦言は止まることを知らず、夜中に目を閉じても頭にあれこれ浮かんでしまう。

そんな3ヶ月に渡る業者手配と社内調整から迎えた大会前夜。
他のブースが着々と搬入と設営を終えていく中、テントを閉じたのは出展社の中で一番最後だった。パネルのサイズが違う、水平垂直収まりがなってない、展示用鉄筋模型の仕上がりが粗雑、ライトが違う…どれだけ段取りしてもイベント会場には想定外が付き物。建築現場と同じからくりである。「ここまでくるとどこまで自分の妥協を許せるかですよ、この風だと、今夜は徹夜決定です。まあ、風は明日までに止めておきますけどね。」轟音と共に冷たい海風が吹きつける中、半袖の川野氏が爽やかに笑う。
収まることを知らない海風をまともに受ける高台の会場でパネルが宙に舞い、風の力でテントの足が曲がる。明日までちゃんと持つだろうか… スタッフはみんな来てくれるだろうか…



way01_01

次ページに続く

1 2 3